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サッカーにおける[我慢の時間]とは? これからのW杯における新しいカタチ

11月24日、開催中のカタールW杯にて日本VSドイツ戦が行われ、日本の劇的な逆転勝利により国内でも話題の中心がW杯一色となってきた。

先日、日本代表のユニフォームを買いに行った話をブログにアップしたが、

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その後ユニフォームを着て応援した日本代表の試合は、これまで見てきた代表戦の中でもダントツに面白い試合だと声を大にして言える。

少しつらつらと書き綴っていくが、あくまで個人の見解として見流してもらえればと思う。

 

まずタイトルにもある通りサッカーには[我慢の時間]というモノが存在する。

サッカーの経験、いやスポーツの経験があまりない方には、もしかすると理解ができないことなのかもしれない。

サッカー好きの人が、あまりサッカーについて詳しくない人と観戦していて、自分達が応援するチームが押されてピンチが続いていたりすると、面白くない、見たくない、と詳しくない人から言われたとする。

そんな時、サッカー好きの人はまず大方の場合「今は[我慢の時間]だから」、と言っていたりする。

その度に、あまり詳しくない人は、「へ〜、そうなんだぁ」と言いつつ(何で我慢しなきゃならないんだろう……)なんて思っていたりするのではないだろうか。

サッカーは試合の中では流れがあって、みたいなことをプレイ経験のない人が言われても理解できないのは、ごもっともなことだと思う。

 

しかし、今回の日本VSドイツ戦は、この[我慢の時間]という概念がわかりやすく説明できる展開になったのではないかと思った次第だ。

テレビやメディアでも連日伝えられているので、試合展開が後半大きく変わったことは皆が周知の上で話を進めるが、日本は前半の早い段階からずっとピンチが続いていた。

ABEMAで解説をしていた本田圭佑さんも、森保監督はもっと早くシステムを変更した方が良いと言っているような試合展開だった。

しかし、森保監督は控えの富安選手にだけアップを命じて、大きなシステム変更を前半には命じなかった。このときすでに、後半スタート時からの展開は森保監督、またはチーム首脳陣の中で計算されていたのだろうと思う。

 

ここで一旦森保監督の話をする。

これまでのW杯に至る4年間、通して日本代表の監督を続けられたのは森保監督が初めてだ。W杯の切符を獲得するまでかなりの批判を受け続け、そのたびに「勝利」することでこの本番までたどり着いた。

特に選手の主体性に重きを置く指導方法は、監督自体に考えがない、策がなくては試合には勝てない、などと4年間嫌というほど言われ続けてきた。

 

いや、実は日本国民でさえ森保監督の策にはめられていたのだ。

 

森保監督はハーフタイムでのインタビューで、「この展開は想定の範囲です、この後も選手たちを信じて粘り強く戦っていきます」と言っている。

実際のとこを言えば、想定の範囲は超えていたとは思う。それは悪い意味ではなく、選手たちの粘り強さの面で想像は超えていたのではないだろうか。

そして後は知っての通り、後半システムを大きく変え、いや変え続けることによって逆転勝利をたぐり寄せた。

これまで書き綴った内容を見ても、前半早いうちにシステムは変更できたのではないか、と感じたと思う。

しかし、後半からの布陣は単にシステムを変更した、ではなく変更し続けるよ、ってことなのだ。

久保選手に替えて富安選手、一見攻撃の枚数を減らして守備の選手を入れると言うことは、負けているのに守りに入るの?と感じた人もいると思う。そうじゃなかった。

サイドの選手を含めてDFは5人、このシステムがある程度いけると踏んだ段階でピッチに三苫選手と浅野選手を投入。まさかのウイングバックに三苫選手を起用した。

これには見ているサッカー好きの人たち全員が、それは厳しいよ〜と思ったところだろうが、蓋を開けてみるとこれが見事にはまった。三苫選手はイングランドプレミアリーグのブライトンでウイングバックを経験しており、深い位置からボールを持って上がっていくことも問題なく対応できた。

三苫選手投入でドイツディフェンスが引き気味になったところで、日本は追い打ちをかけるように堂安選手、南野選手を投入。気づけば、中盤以降は遠藤選手以外すべてが攻撃的な布陣になっていた。

これは、これまで南野選手と三苫選手、伊東選手と堂安選手、加えて鎌田選手までもが同じピッチに立つという考えられない布陣で、あり得ないメンツだ。浅野選手を含めると6人が前掛かりに攻めるということになって、いわゆる6トップとなるのだ。

ある解説者が言うにこの状況で日本は、20以上のフォーメーションをこの試合の中で試しているとのこと。長くなるので皆までは話さないが20以上、だ。

特に後半日本は、選手投入の度にポジションを変更し、ドイツ守備陣は全く対応できなくなって失点したように思う。

こんな誰も想像すらできなかった戦術を、前半の試合の中では選手に伝えきることは無理だった。ハーフタイムで全員に後半へ向けての戦術変更のシナリオを、共有する時間が必要だったのだ。

これにより前半の残りの時間が[我慢の時間]となってしまったのだ。

前半にシステムを急遽変えて、ハーフタイムにドイツに対策を打たれるのも嫌ったのだと思う。

しかしこれは賭けだった、前半1失点はPKによって献上してしまったが、2点目を取られていたら、すべての策は無に帰していたはずだ。

この1失点であの[我慢の時間]を耐えしのいだことが、ハーフタイムで森保監督が言う「想定の範囲」だったのだろう。

 

これこそ勝手な想像に過ぎないが、強豪国のチームで往年の名プレイヤーが中盤、ないし攻撃陣の中にいて、あまり守備をせず前線に張っている光景をこれまで、いやこのW杯でもよく見かける。もしかするとこの「昔ながらの戦い方」は通用しなくなってきているのかもしれない。

というのも今回日本の後半の布陣では、嫌でも攻撃的な選手がディフェンスを強いられる展開となった。三苫選手と伊東選手は当然ながらサイドのケア、まさかの南野選手までもがディフェンスラインの前の空間をしっかりケアして守り抜いた。

やはりアルゼンチンのメッシなんかは前線に張っていて、あまりディフェンスには積極的ではない分DFに少なからず負担が行くし、ウルグアイのスアレスなんかもその傾向が少しうかがえた。逆に若手が中心となって躍動したイングランドやスペインなんかはゲームを支配していたように思う。

 

いろいろ書いてきたが、今回のW杯はこれまでのそれとは全く違うと思っている。

ヨーロッパリーグのシーズン中であり、各国準備が難しかったこと。

登録選手が3人増え26人、交代可能選手も5人に増え、中3日での試合になったこと。

最先端のテクノロジーが導入され、レフェリージャッジが変わってきていること。

これらのことにより、今までの常識が通用しないW杯となっている。

特に初戦を落とすとこれまで以上に立て直しが難しくなるし、試合間隔が短い分苦しい試合での疲労も蓄積してしまう。初っぱなから飛ばしているスペインやブラジルなんて、初めて見たように思う。

そう考えると26人の選手枠全員の底上げが必要になり、数人飛び抜けた選手がいても勝ち抜くことは難しいだろう。

森保監督はそれも見越してシステムに当てはめ、対応できる選手を選んでいるのではないかと考えると末恐ろしく感じるが、頼もしいかぎりではある。

 

この記事を書いている時点でグループ第1ラウンドは終了し、第2ラウンドがとうとう始まる。多分試合の割り当てで、初戦はグループ内FIFAランクの上位1番手と4番手、2番手と3番手が当たっていると思うが、第2ラウンドは1番手と2番手が激突するターンだと思う。

初戦が大事と言ってはいるが、強国にしてみれば2戦目が勝負どころになると感じているのではないだろうか。グループEのスペインVSドイツを始め、各グループ好カードが目白押しだ。

日本代表もコスタリカ戦、森保監督の圧倒的な戦略で、ドイツ戦がまぐれではなかったことを証明してほしいと願うばかりだ。

 

 

最後に、1つ思ったのが、浅野選手が2点目を決めたシーン、顔がなんとも言えない無表情をしていたことに気づいた。

勝手な想像だが、あれこそがゾーンに入った顔なのではないだろうか。

板倉選手からのロングフィードを、ゆっくりと歩くようなランからのとてつもないトラップ、そこから一気にスピードアップしDFを押さえながらのあり得ないシュート。

はじめは浅野選手がこれをしたたかに実行したのかと思っていたが、シュート後の顔を見て『これこそゾーンに入っている!』と感じた。

ゾーンとは何かを知りたい人は、是非にもこのアニメを見ると良い。

amzn.to

 

 

W杯前に書いた記事

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